むかしむかしあるところに - 1/3

――これはうそのようなほんとのはなし。
その日は、とてもよく晴れた日でした。
昼間は乾いた風がほどよく吹いて、洗濯物が快適そうに空を泳いでいました。
夜には澄んだ空に大小さまざまな星が瞬いて、まるで宝石箱を覗いているような素晴らしい光景でした。
今から数年前のよく晴れたその日。

一匹の獣が咽喉を震わせて、この世にうまれました。

「狼が、国を救った」

うそのようなほんとのはなし。
でもね、これは信じていいことなんですよ。

 

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